風の画家ー中島潔
中島潔という画家を知ったのは、たまたま見たこのTV番組でした。
お母さんが亡くなり、すぐに新しいお母さんが来た時に、父親への怒りで家を飛び出し、それ以来ずっと戻っていないという話が印象深く残りました。「
「自分にとって故郷とは逃げ出してきたところ、帰りたくないところ、思い出したくないところで、父親への怒り、許せない気持ちが原動力になっている」
一見、穏やかで温厚そうに見える人から、このような言葉が出てきたことが
とても深く心に残りました。
そして、清水寺の襖絵です。
いわしの巨大な群れの流れに逆らう方向にに佇む少女 は、モチーフは
金子みすゞ 「大漁」で、「生命の無常の輝き」を描いているそうです。
人恋しさのあまり 絵を描き始めました。
母を亡くし故郷を離れてからです。
人の内なるものが生む、世の喜び悲しみに、
葉の水滴のようにとまどい、
花鳥風月すべてに生命を見ました。
生まれて移ろい 消える生命。
その宇宙のような生命は、
やがて仏さまの近くに寄り添い、
そして風になります。
清水寺のいわしの襖絵を一度見てみたいですが、
観光地は1年365日、人だらけですからねー
こういうものは静かに見たいと思うのは、私だけではないはず・・・・