「ぼくたちは闘うために生きている」
若いある日、ひとははっきりと自分の運命を見る。
そして生きることを決意する。
たとえ混沌としてはいても、ひとすじ透明につらぬいた道。
それを直視して、身のしびれる感動をおぼえる。
それが生きがいだ。そこには底知れぬ歓び、そして暗さがある。
運命とは自分で切りひらいていくものーーーー
というより、向こうから覆いかぶさってくるたいへんな重荷だ。
圧倒的に重い。やりきれない。
だからこそ言いようなく惹きつけられる。
それを全身に受けとめ、自分の生きがいに転換するか、
あるいはていよく避けて逃げるか。
人間的な人間は、幸・不幸にかかわらず、まともに運命を受け止める。
いわば無目的にだ。それは自覚の瞬間でもある。
上記2作に続く岡本太郎の格言集というか、強烈エッセイといった風の作品です。
一番読みやすくて、とっつきやすいかもしれません。
ほんとうの人生を生きようとだれもが悩み、苦しんでいる。
まずはそう思うことが大事だし、そう認識したうえで、悩みを
ドラマのように、あるいはすばらしい芸術のように味わう。
つまり悩みをマイナスではなくプラスの面としてとらえる。
悩むってことを、すばらしいことだと思えばいいんだ。
悩んだ途端に、世界がふくれあがって、彩りがパーッと冴えてくる。
そう思えばいい。
くよくよ考えているようなときには、自分がやりたいこと、
やりたい仕事をやる。
― 中略 ―
人生に惰性的にならず、どうやって生きるかを考えながら
闘いの中にとび込めば、悩みや苦しみなんて消えてしまうって
ことだよ。ぼくに限ったことじゃない。
キミだっておなじだ。
逆に、惰性的にいきていると悩みがだんだん重く、
苦しくなってくる。
人生がつまらなくなる。
人生即闘いだ。
ぼくたちは闘うために生きている。
闘うことが人生なんだ。
ぼくはいつも、八方に向かって問題をぶつけていきたいし、
闘っている男でありたい。
賭けとおし、つらぬいて運命を生きる。
そのためにつまらない目にあい、不条理に痛めつけられても、
むしろ嬉しい条件として笑ってつらぬきとおす人間でありたい。
ふりかかってくる災いは、あたかも恋人を抱き入れるように受け入れる。
それが人間のノーブレス(高貴さ)だ。
逃げない。
はればれと立ちむかう。
それがぼくのモットーだ。
常に調子を合わせて、いつも他人の目を気にして生きていると疲れると思います。
自分らしく生きることが、周囲に迷惑をかけないのであれば、
そうすることがいいと思います。
自分が思っているほど、他人は自分のことを見てもいないし、気にしていないはず。
世間のために、他人の目のために生きているのではないはずです。
人生1度です。
輪廻転生があるとしても、現世は一度きり。
現世に思い残すことなく生きて、来世はさらに充実した生を生きることが
できるといい、そう思います。